A型肝炎は、A型肝炎ウイルスの経口感染によって急性肝炎を起します。 小児では90%以上症状が出ない不顕性感染ですが、発病すると発熱や軽い黄疸が現れます。 一方成人ではほとんどが38度以上の発熱、全身倦怠感、下痢、黄疸の症状を呈し、完全に治癒するまでには 1~2ヶ月の治療を要する病気です。 まれに劇症肝炎や、急性腎不全を引きおこす事があります。
感染経路は主に糞口感染で、日本では生活環境が整備され患者が激減し、50歳以下の世代ではほとんど免疫をもっていません。 しかし、世界では途上国を中心にA型肝炎の流行があり、流行地に渡航する前にはワクチンを接種して、免疫を獲得しておくことが望まれます。
A型肝炎ワクチンの接種方法は、しっかり免疫をつけるためには1回目から4週間後、更に24週間の間隔をあけて筋肉又は皮下に3回接種します。海外渡航などで時間がないときには1回目から2週間の間隔で2回接種し、帰国後3回目を接種しましょう。
2回接種で高率の免疫を獲得しヒト免疫グロブリン接種直後と同等以上の抗体が得られますが、長期に抗体価を維持するためには3回目の追加接種が必要です。
A型肝炎ワクチンの主な副反応は局所の発赤、腫脹、硬結や全身反応としての倦怠感、頭痛、発熱などであり、発現頻度は1.7~6%程度です。ほとんどが無処置で数日中に軽快しています。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の血液の輸血、不特定多数の血液に接する機会が多い医療関係者等が感染を受けやすい病気です。
また、性行為等で感染する場合もあります。 通常、成人がウイルス感染を受けると、20~30%が急性肝炎を発病します。なかには劇症肝炎へと進展し死亡する場合もあります。 男性又は女性がキャリア(HBs抗原陽性者)と分かっている場合には、結婚前に相手方がワクチンを接種して感染防止をしましょう。
B型肝炎の場合も1回目から4週間後、更に24週間の間隔をあけて3回接種します。 10歳以上は0.5ml皮下又は筋肉接種、10歳未満は0.25mlを皮下接種します。 成人が接種する場合事前にHBs抗原とHBs抗体の検査をすべきでしょう。 HBs抗原が陽性であればウイルスがすでに体内に存在し、治療について医師との相談が必要です。 HBs抗体が陽性の場合にはすでに免疫が存在し、ワクチンを接種する必要はありません。 HBs抗原とHBs抗体のいずれもが陰性の方が、B型肝炎ウイルスの感染を防止するために予防接種します。
3回接種しても抗体ができない頻度は成人の場合約10%と言われています。
B型肝炎ワクチンの主な副反応は注射部位の発赤、腫脹、疼痛や全身反応としての倦怠感、頭痛などであり、一般に重大なものは認められず、 ほとんどが無処置で軽快しています。
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TEL 086-525-0600
医院名 |
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医療法人 いなだ医院 |
院長 |
稲田 俊雄 |
住所 |
〒713-8123 岡山県倉敷市玉島柏島920-106 |
診療科目 |
内科・胃腸科・小児科・アレルギー科・リハビリテーション科 |
電話番号 |
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